母親猫に見捨てられた子猫は生き延びられるのか? 猫の神様にお願い!

母親猫に見捨てられた子猫は生き延びられるのか?

答えは一つ、「自力では生存確率ほぼゼロ」

これが現実です。

 

人間にとってももちろんですが、猫にとっても母親の存在は言い表せないほど重要です。

いや、人間よりも母親の存在が重要です。

なぜなら、野良ネコの子供には、頼るものが母親しかないからです。

小児病院もなければ、保育器もない。母親だけが命綱です。

母猫からミルクを十分もらえるのかどうか。たかが最初の1か月で、のちの猫生が決まります。

 

先日、こんなことがありました。

弊店から車で5分程度のお宅から、突然連絡がありました。

まったく見ず知らずのご家庭です。

「自分の家の庭で猫が子供を産んだ。自分たちは保護しても高齢で飼うことはできない。かと言って見殺しにはできない。雨の中を必死で子供を守っている母猫をどうにかしてあげたい」

とりあえず状況を拝見しにそのお宅に行ってみると、たしかにお庭の一か所、雨に当たらない奥まったところに母猫が子供を抱えてじっとしていました。

どういう経緯でこのお宅のその場所を出産の場所に選んだのかはわかりません。

ですが、選んだこの母猫はエラい。

その場所なら子猫がカラスに食べられることもない、絶好の隠れ家でした。

みたところ、子猫は3匹。1匹の猫が生む数としてはまあ、普通です。

ご連絡いただいたそのご家族と話あい、ひとまずは様子を見て、子供がちょこちょこ出てくるようになったら連絡をもらうことにしました。

「庭にいてもらうのは一向にかまわない。でも、うちでは飼えないから心苦しい」

そのご家族は人一倍動物に心を砕いていらっしゃる方でしたが、ご自分たちがご高齢という事実をしっかり受け止めて、自分たちの気持ちと現実を理性的に判断していらっしゃいました。

そう、動物は安易にかわいそうだから、可愛いからという理由だけで飼ってはならないのです。

飼うということは、その動物の一生を面倒みることです。

猫であれば普通は15年、ともに生きていかなくてはなりません。

例えば、現在自分が70歳だった場合、自分が85歳になるまで猫が生きる計算になります。

そして猫が年老いて介護が必要になった時、自分も年老いて介護が必要な状態なら、どうしたらいいのか。

老老介護はなにも人間対人間に限ったことではありません。ワンコもニャンコも同様です。

そういうことを踏まえて、飼う決断をしなくてはならないのです。

……閑話休題。

 

そしてつい先日、そのご家族から「子猫がちょこちょこ出てくるようになった」と連絡をもらい再度様子を見に行ってみると……

「あの……、子猫、6匹いますね」

「え!!!??? 6匹???」

そう、店主が覗いてみると、母猫のお腹周辺に3匹、ころっころしたのがまとわりついていました。

そして、そこから少し離れた何もないところに、残りの3匹がうずくまっていました。

(ああ、これはヤバイ)

店主は瞬間、思いました。

もうすでに母猫の中で子供の選別が終わっていました。

強い子供が生き残る。

自然の摂理です。

そして母猫のまわりにいた3匹は、お乳を吸う力や他を押しのけてお乳をもらう生命力が強く、残りの3匹は生命力がちょっとだけ弱かったために、もう母猫から捨てられてしまっていました。

 

母猫も捨てたくて捨てるわけじゃないでしょう。

でも、乏しい食料で自分のお乳の量が限定されている状況では、選別せざるを得ないのです。

産んだ子供をすべて育てきるには、(1)人間がごはんを十分に与えているか、(2)自然の中で食糧が豊富にある、ことが絶対条件となります。

名古屋のような都会では食料も限られていますし、他にも野良ネコはたくさんいるので競争も激しいので、(2)はほぼ不可能です。

そうなると(1)の人間からごはんをもらっていることが一度に4-6匹を産む猫にとって必要となってきます。

ただし、育てたからといって、全部が育つわけではありません。

外敵がいるからです。

代表的なのがカラスです。

カラスは子猫が大好物です。

あっという間に捕食して食べてしまいます。

 

食糧事情と外敵。これらの困難をくぐりぬけて行き抜いた子猫だけが、育っていきます。

その割合は平均1/4といわれています。4匹生まれて成長できる子は1匹ということです。

そんな中、6匹を産んでとりあえずの大きさにした母猫は「えらい」の一言。

でも、彼女の中ではすでに選別がされていたわけです。

3匹は捨てて、残りの3匹を育てる決断を下していたわけです。

 

店主と保護されたご家族は話し合い、店主が他の子猫にかかりきりになる数日だけそのご家族が自宅でこの捨てられた3匹を保護して育て、その後弊店で引き取ることになりました。

ですが、結局数日の間に一番小さく拾ったときにすでに寝たきりだった子猫は、弊店に来る前日に亡くなりました。

一番まだ元気だった子は、とにかく栄養の高いミルクを飲ませることでなんとか健康を回復していますが、残りの1匹は衰弱から瀕死の状態。

脱水症状も激しかったので、水分を注射で補い、点滴もしたのち、現在「猫の神様」と言われている個人で保護活動をしている方のところで療養生活中です。

自分で食べれなくなった動物は、もう死ぬしかありません。

人間がどれだけお金をかけて点滴を打っても、自分で食べる力が備わらない限り、永遠に健康にはならないのです。

この猫も、毎日ミルクを数滴飲むのが精いっぱいの状態が続いていますが、それでも先日店主が「猫の神様」を訪ねたときには、わずかずつ気力・体力を取り戻しているように感じました。

あとは、この子の生きる気力、これに尽きます。

そしてこの子がもし健康を取り戻して元気になったら、幸せな猫生を送れるような温かい里親様に巡り合って幸せになってほしいと願っています。

 

毎年、たくさんの子猫が外のどこかで生まれますが、生後1か月以内で死ぬ子が大半です。

そしてもし運よく生き残っても、人間に拾われたりしてお腹一杯食べて撫でてもらって、ぬくもりを感じれる生活をできる猫はその中でも一握りです。

もちろん人間に飼われるほうが絶対にいいとは言えません。

中には外で生活している方が幸せな場合もあります。

どう生きるのがいいかは置いておくとして、まずは国として、行政として、猫について対策を施していく必要があると感じずにはいられません。

犬についてなんとか規制ができてきたのですから、猫だって不可能ではないはずです。

小さくても「命」です。

生まれてきた以上は、うれしいとか楽しいと感じることがあってほしいです。

 

今回保護してくださったご家族は、とっても動物に心を砕いてくださる優しい方でした。

子猫の行く末も非常に案じてくださり、大変感謝しております。

ありがとうございました。

 

最後に……「猫の神様」とは?このお話はまたの機会に……

 

 

 

 

 

 

 

救出された子猫、初めてのお出かけ

2週間ほど前に保護された子猫です。

知人のKさんが道を歩いていたら、この子の母ネコと父ネコが大量のカラスと戦っていました。

必死。

2匹ともわが子を助けようと、シャーシャー威嚇して、爪を出して、かラスを追い払っていました。

でも、多勢に無勢。

カラスはすごく強いのです。

カラスに狙われたら最後、ほぼほぼ子猫は殺されます。

速攻内臓を食べられて、10分前に元気だったのに、次に見たら無残な姿になっていた……などということは多々ある話。

これも自然の摂理。そう言われればその通り。

でも、カラスに狙われている現場に偶然居合わせたなら、やっぱり思わず助けてしまいたくなる……

Kさんがこの攻防戦を見た時にには、すでにこの子猫の首はカラスにつつかれた跡がたくさんありました。

もう時間がない!

とっさにカラスを手やら持ち物やらで追い払って、子猫を抱きかかえたKさんは、すぐさま家に連れて帰り、病院へ……なんとか助け出すことができました。

その後、Kさんは自分の猫として飼うことに決心。

2週間してなんとか元気を取り戻した姿がこちら。

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女の子のような可愛らしいお顔してますが、オスです。

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ちょっとこの写真ではわかりずらいかもしれませんが、手が大きいのがわかりますか?

手が大きい子は、オスに多く、こういう子はいずれ大きく体格良くなる場合が多いです。

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まだ瞳はもちろんキトンブルー(青)。

これがどういう色に変わっていくのか、楽しみです。

今日は、保護されて以来初めての外出。

ちょっとだけ大きいお兄ちゃんたちと接触してみました。

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店主の飼い猫の1匹とご対面。

フンフフン……と匂いをかがれ、お互いにきょとん(笑)

子猫1匹で飼う場合は、できる範囲で子猫の頃にいろんな人やネコ、他の動物などに会わせておいたほうが、大人になった時に人見知りになる可能性が低くなり、飼いやすくもなります。

 

ちなみに……後日談ですが、この子を保護したKさん、どうやらカラスに恨まれた?ようで(笑)、最近は家の真ん前の電線にカラスが大量に留まり、そこから家の前に白いフンを大量に落としていくとか……

いやいや、思い過ごしでしょう(笑)

そしてこの子の母ネコと父ネコは、Kさんをこの子をさらった人と思っている?ようで、毎日庭に現れては、網戸越しにシャーシャーと威嚇していくようです。

親ネコはある程度までは、自分の子供のことを覚えています。

よく「ネコはすぐ忘れる」といいますが、それは嘘だと店主は思います。

特に母猫は結構長い間、自分の子供のことを覚えているもの。

もちろん飼い主だった人間のことも。

でなければ、地震などの時に何か月もかかって肉球をボロボロにしてまで飼い主の待つ家へなど帰りません。

ただし、子猫のほうは、引き離されたら早くに親ネコのことを忘れてしまうようです。